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シリアスコメディを語る

シリアスとコメディ。

この相反する概念を合わせた言葉が「シリアスコメディ」。
あちらこちらで使われている言葉かと思っていたが、どうやらそうでもないらしい。
ならば、Lucy Projectがこの概念を確立しようと思う。

そもそもシリアスとは、真面目な、真剣な、冗談ではないと言った意味である。
それに対して、コメディとはずばり喜劇。見る人を笑わせる作品ということになる。
これはどう考えても、融合しそうにない。

しかし、かのチャップリンはこう言った。
『人生は近くで見ると悲劇。
だが、それを遠くから見れば喜劇である』

そう、そうなのだ。
人間の営みとは、真面目であれば真面目であるほど、少し距離を離れて見てみたら可笑しくて仕方がないものである。
たとえば、屋外に設置された喫煙スペースでタバコをふかす人々。。。
本人達は他に吸える場所がなくて必死なのかも知れないが、暑くても寒くても、同じような人達が肩寄せ合ってタバコを吹かしている姿は滑稽以外何ものでもない。
たとえば、夜のプラットフォームで喧嘩をしている恋人達。。。
おそらくデート終わりに揉めるくらいだから、本人達にとっては深刻な話なのだろうが、全然関係のない乗客からすれば単なる冷笑の対象でしかない。
たとえば、、、
そう、Lucy Projectでも、そんな話があった。
若い女にほだされて、言いなりになってしまった馬鹿な男の話。「痴人の愛」も本人達は一生懸命だが、端から見ればあれは喜劇である。

こういった視点で描く物語を、我々はシリアスコメディと呼ぶことにする。
いってみれば、シリアスコメディは、出演者が観客を”笑わせよう”とする喜劇ではない。
「無理に笑っていただく必要もないですが、可笑しかったら自由にクスクス笑って下さい」という喜劇である。
登場人物はあくまでもみな真剣なのである。

さて、そんなシリアスコメディ作品を上演することになった。

岸田國士原作の「命を弄ぶ男ふたり」をベースにしたLucyProject公演「命を弄ぶ男たち」である。
自殺願望の男がふたり列車の線路近くで偶然に出会い、お互いの自殺する理由を自慢しあうという話だ。
短編の物語だが、岸田國士の快作のひとつである。LucyProjectがどう料理するかをお楽しみ頂きたい。

日程、詳細は、またのちほど。

 

平本たかゆき

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